トラックに乗るナゴルノカラバフ地方からの難民たち(2023年9月)=ロイター

【モスクワ=共同】アルメニアのパシニャン首相は8月31日、首都エレバンで記者会見し、係争地ナゴルノカラバフを巡り長年対立してきた隣国アゼルバイジャンに対して平和条約への署名と批准をするよう30日に要請したことを明らかにした。アゼルバイジャンはこれを拒否した。インタファクス通信などが報じた。

パシニャン氏は「和平合意の17条項のうち序文と13条項で完全に合意し、3条項で部分合意した。残り1条項の文言もほぼ合意している」と説明した。

これに対し、アゼルバイジャン外務省報道官は31日、アルメニア憲法にあるナゴルノカラバフの主権を主張する項目を取り下げることが署名の条件だと述べた。

両国の平和条約を巡ってはロシアのプーチン大統領が仲介に意欲を示しているが、パシニャン氏は「2カ国で協議しており、ロシア大統領にも伝えた」と強調し、協力は不要との考えを示した。

アゼルバイジャンは昨年ナゴルノカラバフを全面的に支配下に置いた。パシニャン氏は軍事支援しなかったロシアを批判し、ロシア主導の集団安全保障条約機構(CSTO)からの脱退を示唆し続けている。

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