カナダでは去年、大規模な山火事が発生し、日本の面積のおよそ4割にあたる15万平方キロメートルが焼けたほか、煙が国境を越え、ニューヨークなど、アメリカ東部にまで流れ込み、深刻な大気汚染を引き起こしました。

この山火事の際、二酸化炭素などの形で大気中に放出された炭素の量について、アメリカなどの研究チームが人工衛星のデータなどを使って分析し、このほど、科学雑誌の「ネイチャー」に発表しました。

それによりますと、カナダの山火事で去年5月から9月までの間に放出された、二酸化炭素などに含まれていた炭素の量は、推定で、およそ6億4700万トンにのぼるということです。

これを、おととし、各国が石油などの化石燃料の使用で1年間に排出した炭素の量と比較すると、世界で5番目に多かった日本を超え、3番目のインドに迫る量だったとしています。

研究チームは山火事について、去年、カナダが記録的な暑さに見舞われ、極度に乾燥していたことが原因だとした上で、気候変動の影響でこのままでは2050年代には大規模な山火事が珍しくなくなり、二酸化炭素を吸収する役割を期待されてきたカナダの広大な森林が、その機能を大きく損なう可能性があると警鐘を鳴らしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。