【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングが24日発表した2024年1〜3月の最終損益は3億5500万ドル(約550億円)の赤字(前年同期は4億2500万ドルの赤字)だった。1月に発生した小型機「737MAX」の事故対応やそれに伴う減産が響いた。売上高は前年同期比8%減の165億6900万ドルだった。
1月に「737MAX」の胴体に穴が空く事故が発生し、米連邦航空局(FAA)が同型機の運航停止を指示。航空会社に補償金の支払いなどが発生した。加えて製造品質を改善するために減産し、納入機数が大きく減った。
最終赤字は7・四半期連続となった。ボーイングは近年、製造品質問題や新型機開発の遅れなどが響いて業績不振が続いている。
営業キャッシュフローは33億6200万ドルの赤字(前年同期は3億1800万ドルの赤字)に膨らんだ。デビッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)は「品質・安全管理システムを強化する時間を確保する」とコメントした。
24年3月末の手元資金(現金同等物と短期債保有額の合計)は75億2900万ドルで、23年12月末から約5割減った。減産で収入が減ったことに加えて航空会社などに支払う事故対応費用がかさんだ。会社側は金融機関の融資枠が100億ドルあると強調し、資金繰り懸念を打ち消している。
商用機部門の売上高は前年同期比31%減の46億5300万ドルだった。同部門の営業赤字は11億4300万ドル(前の期は6億1500万ドル)に拡大した。商用機の納入は83機で前年同期比36%減った。
防衛・宇宙部門は軍用機の納入が増加して売上高が同6%増の69億5000万ドルだった。同部門の営業損益は1億5100万ドルの黒字に転換(前年同期は2億1200万ドルの赤字)した。
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