インドネシアの選挙管理委員会は24日、2月の大統領選で、国防相のプラボウォ氏(72)が全体の58・59%の票を獲得し、当選したと公式発表した。この日の演説でプラボウォ氏は「国民全員のために働く大統領になる」と話したが、メディアに苦言を呈する場面もあった。

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 公式結果の発表後、プラボウォ氏は演説に立ち、「世界は急速に変化している。インドネシアが生き残り、豊かな国になることを望むのであれば、全ての政治家が協力しなければならない」と強調した。

 メディアについては「自由で活力のある報道は民主主義の絶対条件だ」と、その役割に理解を示したが、その後の記者会見では「メディアは時に邪魔だ」と発言。その直後に「メディアがあれば、どんな政治家も間違ったことはしたくないはずだ」と、フォローしてみせた。

 就任式は10月20日で、副大統領には現職ジョコ大統領の長男のギブラン氏(36)が就任する。

 大統領選にはほかに、前ジャカルタ特別州知事のアニス氏、最大与党・闘争民主党が擁立した前中部ジャワ州知事のガンジャル氏が立候補していた。

 この日の結果発表は、憲法裁判所が22日、大統領選で「不適切な権力の介入」があったなどとして異議を申し立てていた他の2陣営の訴えを退けたことを受け、実施された。(ジャカルタ=半田尚子)

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