【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月25日の動き)

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ウクライナ情勢 ロシアによる軍事侵攻 最新情報・解説 - NHK特設サイト

ウクライナとロシア 攻撃の応酬続く

ロシア国防省は26日、朝までに南部サラトフ州や西部クルスク州などでウクライナの無人機20機を撃墜したと発表しました。

このうちサラトフ州の知事は、撃墜された無人機の破片が落下し、集合住宅などが損傷したほか、複数のけが人が出ていると明らかにしました。

一方、ロシア軍は、26日、ウクライナ全土に向けてミサイルや無人機による大規模な攻撃を行っており、ウクライナメディアによりますと、東部ドニプロや西部ルツクで死者が出ているということです。

停電も各地で起きており、首都キーウでは一部で断水となっているということです。

ウクライナ東部のホテル攻撃 ロイター通信取材チームの男性死亡

また、東部ドネツク州のクラマトルシクでは、25日、ロイター通信の取材チームが滞在していたホテルが攻撃され、捜索の結果、男性1人の死亡が確認されました。

ロイター通信によりますと、死亡したのは取材の安全アドバイザーを務めていた元イギリス軍兵士のライアン・エバンズさんで、2年前からロイター通信と契約し、ウクライナやイスラエル、パリオリンピックなどで安全対策について助言していたということです。

この攻撃では、ロイター通信の記者2人を含む7人がけがをしました。

これについてゼレンスキー大統領は25日夜のビデオ演説で、この攻撃には短距離弾道ミサイル「イスカンデル」が使われたと述べたうえで「絶対に意図的に、考え抜かれた方法で行われた」と述べ、ロシア軍を強く非難しました。

ウクライナ軍 “西側から提供の情報活用し越境攻撃”

ウクライナ軍が越境攻撃を行っているロシア西部と国境を接する地域で活動するウクライナ軍部隊で広報を担当する兵士が、作戦の詳細について、NHKの取材に応じました。

この中で、越境攻撃について「現地の司令部などでも兵士や将校は作戦について知らず、考えもしていなかった」と述べ作戦は、ごく少数の関係者だけで秘密裏に進められたとしています。

そして「無人機や衛星を使ってクルスク州を徹底的に偵察していた。西側のパートナーは衛星からの詳細な情報を提供してくれた。情報がなければ、作戦はより難しかっただろう。最後の瞬間に部隊となって突撃した。小さなグループで車も別々で移動した。すべてが素早い行動だった」と述べ、西側から提供された衛星画像などの情報を活用してロシア側の動きをひそかに把握した上で一気に進軍したことを明らかにしました。

また、越境攻撃を前にクルスク州に隣接するウクライナのスムイ州に部隊を配置していたとして「ロシアがスムイ州に別の戦線を開こうとしていると恐れているふりをしてわれわれは部隊を配置した。敵はわれわれが発したうその情報を信じたのだ」と述べ情報戦も駆使して綿密に準備したと説明しました。

そして越境攻撃の目的についてこの兵士は「ロシアの民間人に与える心理的な要因を忘れてはならない。作戦は敵の戦意を喪失させる動きとしても計画されていた」と述べ、ロシア社会に動揺を与え、不安定化させることが目的の1つだという見方を示しました。

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