【NQNニューヨーク=川上純平】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比177ドル71セント(0.43%)安の4万0712ドル78セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が23日に発言するのを前に持ち高調整の売りが出たほか、金利の上昇がハイテク株の重荷だった。もっとも、FRBが9月に利下げに転じるとの見方は根強く、ダウ平均の下値は堅かった。

パウエルFRB議長はカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で23日に講演する。発言の内容を見極めようと様子見の投資家が多かった。ダウ平均は8月初旬の急落から短期間で大きく戻したため、主力株には持ち高調整の売りが出やすかった。

市場では、パウエル議長の講演について「インフレが穏やかで、労働市場にほとんど変化がなければ9月の0.25%利下げに向けた自信を深めることを伝える」(バークレイズ)との見方があった。

米長期金利が3.8%台半ばに上昇(前日終値は3.80%)し、高PER(株価収益率)のハイテク株は金利と比べた相対的な割高感が意識された。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、セールスフォースが売られた。ダウ平均の構成銘柄以外ではエヌビディアやテスラも下落し、米株相場を下押しした。

もっとも、ダウ平均の下値は堅かった。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は米CNBCの番組で、FRBの金融政策について「9月に利下げをするプロセスを始める必要があると思う」との考えを示した。22日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったこともあり、FRBの利下げが景気を支えるとの見方が改めて意識されたのは米株相場を下支えした。

ダウ平均の構成銘柄ではインテルが下げたほか、アムジェンやホーム・デポにも売りが出た。半面、JPモルガン・チェースやアメリカン・エキスプレス、ジョンソン・エンド・ジョンソンは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比299.633ポイント(1.67%)安の1万7619.354で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが売られた。

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