20日、キャンベラで握手するインドネシアのプラボウォ国防相㊧とオーストラリアのアルバニージー首相=AAP・AP

【シドニー=共同】インドネシア次期大統領のプラボウォ国防相は20日、訪問先のオーストラリアでアルバニージー首相と会談し、2国間の防衛協力協定を締結することで合意した。近く正式に署名する。両国軍が互いの国の基地を訪問したり、共同軍事演習をしたりしやすくする。

中国と緊張関係にあるオーストラリアは東南アジアの大国インドネシアとの連携を強めたい考えだ。プラボウォ氏は、インドネシアの非同盟中立の原則を堅持しつつ、オーストラリアから農業技術や麻薬対策などで支援を引き出す狙いだ。

キャンベラで行われた共同記者発表で、アルバニージー氏は協定について「(両国軍の)相互運用性を強めるものだ」と説明。「歴史的」な出来事だとし「両国だけでなく地域の安定に極めて重要だ」と語った。

プラボウォ氏も「大きな進展があった」と歓迎。オーストラリアに対し、インドネシアへの投資拡大や違法薬物の撲滅に向けた協力も求めた。

オーストラリアは南シナ海で威圧を強める中国に対抗し、フィリピン軍や米軍と海上協同活動を実施。プラボウォ氏は大統領就任を控え、中国やロシアを含む各国と全方位外交を展開している。

プラボウォ氏は19日からオーストラリアを訪問。アルバニージー氏は、10月に行われるプラボウォ氏の大統領就任式に出席する予定だ。

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