北方領土の元島民や家族による「ビザなし交流」や、先祖の墓参りを行う「北方墓参」は、新型コロナウイルスの影響で4年前に中断し、その後のロシアによるウクライナ侵攻のため、再開の見通しが立っていません。

こうした中、元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟や道などは、2022年から、船から先祖を供養する「洋上慰霊」を始め、ことしも元島民や家族ら80人が参加しました。

午前中、根室市の根室港で行われた出発式では千島歯舞諸島居住者連盟の松本侑三 理事長が「ふるさとのお墓を訪れることすらできない状態が続いていて非常に残念で無念だが、できるだけ近いところで祈りたい」とあいさつしました。

そして、一行は北方四島との交流事業などで使われる専用船の「えとぴりか」に乗り込み、関係者に見送られながら港を出発しました。

20日は知床半島の付け根と国後島との間の、いわゆる中間ラインの手前で慰霊式を行い、午後5時ごろに港に戻る予定です。

洋上慰霊は9月21日にかけて合わせて7回実施されます。

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