【NQNニューヨーク=戸部実華】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比96ドル70セント(0.23%)高の4万0659ドル76セントで終えた。7月31日以来の高値。今週発表の米経済指標を受け、景気悪化への過度な懸念の後退が引き続き相場を支えた。一方、前日までの3営業日で1200ドルあまり上昇した後で、主力株の一部には持ち高調整の売りも出て、ダウ平均の上値を抑えた。

16日午前にミシガン大学が発表した8月の消費者態度指数(速報値)は67.8と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(66.6)を上回って7月確報値(66.4)から上昇した。今週発表された7月の小売売上高は市場予想以上に伸びた一方、7月の消費者物価指数(CPI)はインフレの鈍化傾向を映した。

このところ発表された経済指標について「米経済は減速していても底堅さを維持している」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との受け止めがあった。景気停滞とインフレが共存するスタグフレーションを避けられるとみて、投資家心理が改善した。

ダウ平均は100ドルあまり下げる場面もあった。前日には多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が節目の5500を上回るなど、主要株価指数は8月初旬の急落局面の前の水準を回復していた。短期間で大きく上昇したうえ、週末を控え、持ち高調整の売りが出やすい面があった。

個別銘柄では、ボーイングやJPモルガン・チェースなど景気敏感株の一角が買われた。四半期決算が好感されて前日に急伸したシスコシステムズに買いが続いた。ベライゾン・コミュニケーションズやマクドナルドも高い。半面、キャタピラーやマイクロソフト、アムジェンは安い。

ダウ平均は週間では1162ドル上昇し、上げ幅は2023年10月30日〜11月3日(1643ドル)以来の大きさとなった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7日続伸した。前日比37.224ポイント(0.21%)高の1万7631.720と、7月23日以来の高値で終えた。エヌビディアやアルファベットが買われた。一方、メタプラットフォームズは下げた。

ナスダック指数は週間では5.29%高となり、上昇率は23年10月30日〜11月3日(6.6%)以来の大きさだった。

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