停戦協議 16日も続く見通し

ガザ地区では、イスラエル軍がハマスの壊滅を掲げて軍事作戦を続けていて、現地の保健当局の発表によりますと、これまでの死者は4万人を超えました。

こうした中、アメリカなどの呼びかけでガザ地区の停戦と人質の解放に向けた協議が仲介国カタールの首都ドーハで15日から始まりました。

今回の協議をめぐっては、イスラエル側が現地に交渉団を派遣したのに対し、ハマス側は参加しないとしていますが、ロイター通信によりますと、イスラエルの出方次第では仲介者と面会する意向も示しているということです。

これについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は15日、記者団に対し「協議の再開は重要な一歩でここに至るまでにすでにいくつかの見解の相違を埋めることができた」と述べた上で「協議内容は複雑で、やるべきことはまだたくさんある」として、協議は翌16日も続くという見通しを示しました。

また、今回の協議にハマス側が参加していないことについては「これまでの協議でも仲介国が話し合った内容をハマス側に伝えて、回答を待つという形だった」として、協議のプロセスに問題はないという認識を示しました。

ガザ地区の停戦に向けた協議は、7月、ハマスの最高幹部が殺害されたことを受けてイランが宣言しているイスラエルへの報復に影響を与える可能性もあり、イスラエルとハマスの間の合意に向けた糸口を見いだせるかが焦点です。

国連人権高等弁務官「世界にとって痛ましい節目の日」

イスラエル軍の攻撃が続くガザ地区での死者が4万人を超えたと現地の保健当局が発表したことについて、国連人権高等弁務官事務所のトップ、ターク人権高等弁務官がコメントを出しました。

このなかでターク氏は「世界にとって痛ましい節目の日となった。死者のほとんどは女性と子どもたちだ。この想像を絶する状況は、イスラエル軍が戦争のルールを守らずにいることによるところが圧倒的に大きい」と述べ、国際人道法で定められた民間人の保護に反していると非難しました。

そのうえで「すべての当事者に対して、即時停戦に合意し、武器を置いて殺し合いを完全にやめるよう強く求める」と呼びかけました。

イスラエル テルアビブで人質の家族がデモ行進

イスラエル軍によりますと、ガザ地区では、ハマスによって115人の人質が捕らえられています。

イスラエルのテルアビブでは、15日、ガザ地区の停戦と人質の解放に向けた協議が始まったのに合わせて、人質の家族や知人などでつくる団体の呼びかけで集会が開かれ、地元メディアによりますと数千人が集まりました。

参加した人たちは、「いますぐ人質解放の合意を」などと書かれたプラカードを掲げて市中心部をデモ行進し、イスラエルのネタニヤフ政権に対して、これまで停滞していた協議を進展させるよう訴えました。

いとこが人質となっているという女性は涙を浮かべながら、「人質たちが早く私たちのもとへ生きて帰ってくることを望む。最大の不安は協議が失敗に終わることだ」と話していました。

また、教え子が人質になっているという70代の教師の女性は、「今回の協議は最後のチャンスかもしれない。ネタニヤフ首相には合意を実現させて欲しい。あれから10か月が過ぎても人質が解放されないことに強い怒りを覚える」と話していました。

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