【NQNニューヨーク=稲場三奈】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比519ドル08セント高の4万0527ドル47セントで推移している。朝発表の経済指標が米経済減速への過度な懸念を後退させる内容だった。投資家心理が改善し、幅広い銘柄に買いが広がっている。

7月の米小売売上高は前月比1.0%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を上回った。自動車・同部品を除くと0.4%増と、市場予想(0.1%増)以上だった。米個人消費の底堅さが意識された一方、「米連邦準備理事会(FRB)の9月利下げ観測を変えるものではない」(LPLファイナンシャルのジェフェリー・ローチ氏)との声が聞かれた。

週間の米新規失業保険申請件数は22万7000件と、市場予想(23万5000件)を下回った。労働市場が市場の想定より悪化しているとの警戒が薄れた。FRBの利下げ幅を巡っては、9月に0.5%の利下げを決めるとみる確率が低下。指標発表後には短い年限の国債を中心に利回りが大きく上昇している。

個別では、ボーイングやホーム・デポなどが高い。四半期決算や見通しが好感されたシスコシステムズやウォルマートも買われている。ナイキも上昇。前日夕に著名投資家ビル・アックマン氏が率いるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントが2024年4〜6月期にナイキ株を新規に取得していたことが明らかとなり、材料視されている。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやユナイテッドヘルス・グループは安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6日続伸して始まった。

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