【NQNニューヨーク=戸部実華】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比683ドル04セント高の3万9446ドル49セント(速報値)で終えた。朝発表の米雇用指標が労働市場の底堅さを示したことで市場心理が改善し、幅広い銘柄に押し目買いが広がった。
8日発表の週間の新規失業保険申請件数は前の週から減少し、23万3000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(24万件)を下回った。労働市場の減速によって消費が減退し、景気が悪化するとの過度な懸念が後退した。
外国為替市場では円が対ドルで下落し、1ドル=147円台で推移する場面が目立った。週初までの株安につながったとされる「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服したとの見方も安心感につながった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアなど主力株が持ち直したことも相場を支えた。足元の下げを受け、人工知能(AI)関連で業績の伸びが見込める半導体株の一角には買いの機会との見方を示すアナリストも出てきた。
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなども上昇した。アマゾン・ドット・コムやアップルといった大型ハイテク株にも買いが入った。
個別銘柄ではインテルやセールスフォース、アムジェンの上昇が目立った。ボーイングやキャタピラー、ゴールドマン・サックスなど景気敏感株も買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比464.215ポイント高の1万6660.021(速報値)で終えた。
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