バングラデシュでは、公務員採用の特別枠に反対する学生などによる大規模なデモが各地に広がって、警察の弾圧で多数の死傷者が出る事態となり、今月5日、ハシナ首相が辞任に追い込まれました。
これを受けて、暫定政権を率いる最高顧問に選ばれたノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏の就任式が、8日首都ダッカで行われ、暫定政権が発足しました。
滞在先のフランスから帰国したユヌス氏は、就任式に先立って会見し「暴力と混乱は進歩の最大の妨げとなる。法と秩序の回復が優先事項だ」と述べ、治安の安定化に最優先で取り組む姿勢を強調しました。
現地では、大規模な暴動などはおさまっていますが、一部の地域では、ハシナ政権の与党関係者が所有する建物が放火されたり、少数派のヒンドゥー教の寺院が壊されたりしていて、治安が不安定な状況が続いています。
今後、暫定政権のもとで新たに選挙が実施される予定で、対立を続けてきた与野党の分断を修復し、広く国民の理解を得ながら民主的な政治体制を構築できるかが焦点となります。
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