気象庁によりますと、世界の平均気温は去年5月以降、その月の過去最高を更新し続けていて、ことし6月も平年より0.58度高く、過去133年の間で最も暑くなりました。

先月の平均気温は、まだ発表されていませんが、アジアやヨーロッパ、北アメリカで気温が上昇し、カナダでは平年より10度高い日もあるなど異常気象が相次いでいます。

こうした異変について、東京大学先端科学技術研究センターの中村尚教授は
▽温暖化によって地球全体が暖かくなっていることに加え
▽偏西風が北に蛇行した地域に高気圧が張り出し、晴れて気温が上がったことで記録的な暑さにつながったと指摘しています。

また、南米・ペルー沖の赤道付近で、海面水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」が、去年の春からおよそ1年間続いた影響で、熱帯から亜熱帯にかけて大気中に熱が供給され、気温がさらに上昇したということです。

そのうえで、中村教授は「昔はめったにない高温が当たり前となる『ニューノーマル』のフェーズに入ったかもしれない」と指摘しています。

また、今後の見通しについては「エルニーニョ現象」とは反対に、ペルー沖の海面水温が平年より下がる「ラニーニャ現象」の傾向が見られるため、少し気温が下がるかもしれないとしたうえで「温暖化で徐々に気温が高くなっているのは否定できず、今後も偏西風が北に蛇行する地域は高温となる可能性が高い」と警鐘を鳴らしています。

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