イラン「イスラエルを罰する」報復を行う決意を改めて強調
ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるハマスのハニーヤ最高幹部が先月31日、訪問先のイランで殺害されたことを受けて、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復を示唆していて、イランが支援する武装組織も報復に加わる可能性が指摘されています。
イラン外務省のキャンアニ報道官は5日、会見で「イランに地域の緊張を高める意図はなく、緊張を高め、地域を不安定化させているのはイスラエルのほうだ」と非難しました。
また、「イランは抑止力を発揮し、国の安全保障と尊厳を守るため断固としてイスラエルを罰する。国際社会は地域に安定を取り戻すためにそれを支持すべきだ」と述べ、イスラエルに報復を行う決意を改めて強調するとともに、国際社会に理解を求めました。
一方、イスラエルのガラント国防相は5日、イラン側からの攻撃に備えて防空態勢を強化している空軍の施設を視察し「敵は慎重に次の出方を検討している。われわれは攻撃への迅速な移行も含めてあらゆる可能性に備える必要がある」と述べ、対抗措置も示唆してイラン側をけん制しました。
こうした中、ガザ地区では5日も戦闘が続き、イスラエル軍は南部ハンユニスの一部に退避通告を出して攻勢を強めています。
ガザ地区の保健当局はこれまでの死者が3万9623人に上ったとしていて、戦闘開始からまもなく10か月となるなかで停戦の兆しは見えていません。
イラン外相代行「状況を悪化させているのは国際社会の無関心」
一方、イランのバゲリ外相代行は、イランに駐在する各国の大使などを集めて演説し、「ハニーヤ最高幹部の暗殺は、パレスチナ人を虐殺しようとする計画の一部だ。状況を悪化させているのは国際社会の無関心だ」と訴え、イランの立場に対する理解を求めました。
イラン全土 レベル3「渡航中止勧告」以上に
中東での緊張の高まりを受けて、外務省は、5日夜、イランの「危険情報」について、首都テヘランを含む大部分を、不要不急の渡航中止を求めるレベル2からレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げました。
パキスタンとの国境地帯など一部には、以前から最も高いレベル4の「退避勧告」が出されていて、これにより、全土にレベル3以上の情報が出されたことになります。
外務省は、「イランとイスラエル双方による 軍事的措置の応酬が強く懸念され、イラン国内でも不測の事態が発生するおそれがある」などとして、イランへの渡航をやめるよう求めています。
外務省によりますと、イランには、およそ350人の日本人が滞在しているということで、出国を希望する人に対し、商用便が運航されている間の早期の出国を検討するよう呼びかけています。
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