【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比1033ドル99セント安の3万8703ドル27セント(速報値)で終えた。米景気の先行き不安を背景に投資家がリスク資産を圧縮する動きを強め、米株に売りが広がった。ハイテク株を中心に売られ、ダウ平均の構成銘柄は全面安だった。

前週末発表の7月の米雇用統計は雇用者数が市場予想ほど伸びず、失業率も上昇した。米景気が想定以上に悪化するとの懸念が広がり、投資家が株売りを急いだ。5日はアジアの株式相場が日本を中心に大幅安となったほか、欧州株も下落。世界的な株安が投資家心理を冷やし、ダウ平均の下げ幅は一時1200ドルを超えた。

人工知能(AI)による業績拡大が期待され、これまで米株高をけん引してきた大型ハイテク株を中心に持ち高を解消する動きが広がった。ダウ平均の構成銘柄ではアップル(4.8%安)やアマゾン・ドット・コム(4.1%安)、マイクロソフト(3.3%安)が大きく下げた。市場では「明らかに買われすぎていたなか、2024年4〜6月期決算でAIの業績貢献が現時点で限られることが分かったのも売りにつながった」(ケース・キャピタル・アドバイザーズのケニー・ポルカリ氏)との声が聞かれた。

ダウ平均の構成銘柄は全て下げ、インテルやビザ、シスコシステムズへの売りが目立った。ナイキやIBMも下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に3日続落し、前週末比576.082ポイント安の1万6200.082(速報値)で終えた。次世代AI半導体の出荷が遅れると伝わったエヌビディアが大きく下げた。

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