【ワシントン、エルサレム=共同】オースティン米国防長官はイランの脅威からイスラエルを防衛するため、弾道ミサイル防衛能力を持つ巡洋艦と駆逐艦の派遣を命じた。国防総省が2日明らかにした。戦闘機部隊を追加派遣するほか、原子力空母エーブラハム・リンカーンを中核とする空母打撃群も中東地域に配備する。緊張が激化する中東地域で抑止力を高める狙いがある。
パレスチナのイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者暗殺やレバノンの民兵組織ヒズボラ最高幹部殺害を受け、イランやハマス、ヒズボラは敵対するイスラエルへの報復を宣言。バイデン大統領は1日、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で同国の防衛強化を支援すると説明していた。
米ニュースサイト、アクシオスは2日、バイデン氏がネタニヤフ氏との1日の電話会談で、中東情勢の沈静化とパレスチナ自治区ガザの停戦交渉合意に向けた行動を直ちに取るよう非公式に要求したと伝えた。
バイデン氏はイスラエルによるヒズボラ最高幹部殺害などに強い不満を表明し、イスラエルが再び緊張激化を招く事態を起こした場合、米国は支援しないと述べたという。イスラエルはハニヤ氏暗殺を認めていない。
ガザの停戦交渉を巡り、イスラエルメディアは2日、同国政府が3日にも仲介国エジプトに代表団を派遣すると報じた。
イスラエル軍は2日もガザ各地を攻撃。中東の衛星テレビ、アルジャズィーラによると、北部ガザ市で6人が死亡した。軍はヒズボラが活動していたとするレバノン南部の施設を攻撃。ヒズボラもイスラエル北部へロケット弾を発射した。
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