ハイネケンのビール販売量は予想ほど伸びなかった=ロイター

【フランクフルト=林英樹】オランダのビール大手ハイネケンが29日発表した2024年1〜6月のビール販売量は前年同期と比べ2.1%増にとどまり、市場予想(3.4%増)を下回った。子会社の中国最大手である華潤ビールの株価下落を受け、減損損失を計上したとも公表した。マイナス材料が重なり、ハイネケンの株価(アムステルダム市場)は29日、前日終値比で8%弱下落した。

ハイネケンは7月中旬までドイツで開催した欧州サッカー選手権(ユーロ2024)のスポンサーを務めた。ビール販売の増加を見込んだが、低気温を理由に予想を下回ったとしている。原材料費とエネルギーコストの上昇をうけ、製品価格を約16%値上げしたことも販売減につながった。

29日発表した24年1〜6月期の売上高は前年同期と比べ2.2%増の178億2300万ユーロ(約3兆円)。営業利益は12.5%増の15億4200万ユーロで、こちらも市場予想を下回った。

欧州だけでなく世界最大のビール市場である中国でも販売は伸び悩んだ。2018年に株式の40%を取得した華潤の株価が下がり、ハイネケンは8億7400万ユーロの減損処理を実施した。これにより、1〜6月期の最終損益は9500万ユーロの赤字(前年同期は11億ユーロの黒字)に転落した。

ハイネケンのドルフ・ファン・デン・ブリンク最高経営責任者(CEO)は同日に米ブルームバーグTVに対し「ユーロ2024で売り上げが伸びず残念だった。先進国市場の消費者心理は引き続き慎重になっている」と語った。

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