【NQNニューヨーク=稲場三奈】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比742ドル76セント高の4万0954ドル48セント(速報値)で終えた。連日で最高値を更新した。朝発表の6月の米小売売上高が市場予想を上回り、米消費の底堅さが意識された。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを開始するとの見方も引き続き株買いを促した。

6月の米小売売上高は前月比で横ばいだった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想は0.4%減だった。自動車・同部品を除くと0.4%増えたほか、5月分を上方修正した。市場では、「米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの見方は変わらない」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。

高金利環境の長期化への懸念が後退し、金利低下の恩恵を受けやすい住宅関連や中小型株に買いが入りやすかった。ダウ平均の構成銘柄ではホーム・デポが買われた。ダウやキャタピラーといった景気敏感株も高かった。トラベラーズやアムジェンなどディフェンシブ株の一角も買われた。半面、マイクロソフトやインテルは下げた。

朝発表の2024年4〜6月期決算で業績が市場予想を上回った銘柄に、好感した買いも入った。ダウ平均の構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループが大幅高となった。ダウ平均の構成銘柄以外では、モルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカも上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比36.774ポイント高の1万8509.340(速報値)で終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も3日続伸し、10日以来となる最高値を更新した。

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