ロシアの最高検察庁は10日、ロシアで最有力の英字メディア「モスクワ・タイムズ」の活動が「ロシア政府の決定の信用失墜が目的だ」として、「好ましくない」と表明した。タス通信が伝えた。今後、ロシアでの活動が禁止される。ウクライナ侵攻で国外に拠点を移したが、ロシアでは同社への協力や購読が難しくなる。

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 モスクワ・タイムズはソ連崩壊直後の1992年に創刊。2022年にオランダに拠点を移し、23年には「外国の代理人」に指定され、活動を制限されていた。

 最高検は「外交、内政の両面で、ロシア指導部の決定の信用失墜を目的にしている」と説明。すでにサイトへの接続が制限されているという。

 モスクワ・タイムズは政権批判の記事を多く掲載し、ロシア在住の外国人らの信頼も厚かった。スパイの疑いで逮捕された米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシュコビッチ記者も所属していたことがある。

 ロシアでは最近も反政権派への締め付けが厳しくなっており、モスクワの裁判所は前日の9日、2月に獄死した反政権派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻で、国外に居住しながら反政権活動を引き継いだユリアさんの逮捕を当局に認める決定をしていた。

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