ロシアのミサイル攻撃で被害を受けた小児病院(8日、キーウ)=ロイター

【キーウ=共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ロシアによる首都キーウ(キエフ)を含む各地への攻撃で子ども3人を含む37人が死亡し、負傷者は170人を超えたと発表した。小児病院や保育園、大学など100近い施設が損傷。ロイター通信は9日、死者が41人になったとも報じている。

イエルマーク大統領府長官は攻撃を非難し、ワシントンで9日から始まる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で話し合うよう求めた。国連安全保障理事会は、緊急会合を9日に開くと決めた。

ゼレンスキー氏は「ロシアは責任を負うべきだ」と強調。バイデン米大統領も「ロシアの残忍さを肝に銘じる恐ろしい出来事だ」との声明を出した。国連のグテレス事務総長は声明で「民間人への直接攻撃は国際法違反で、容認できない」と強く非難した。

キーウでは全10地区のうち7地区が攻撃を受けた。ミサイルが着弾し、子ども3人を含む7人が死亡した集合住宅は一角が崩壊し、8日夜もがれきの除去作業が続いた。涙を流しながら作業を見守る女性の姿もある中、近所に住むカリーナさん(36)は「とてもショックだ。こんなひどい攻撃を世界は許してはいけない」と憤った。

ウクライナ空軍によると、ロシア軍は8日、極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」など38発を発射、このうちウクライナ軍は超音速ミサイル「キンジャル」など30発を迎撃した。

経済誌フォーブス・ウクライナ版はロシアによる8日の攻撃の費用が2億ドル(約320億円)以上だとする試算を報じた。

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