【NQNニューヨーク=稲場三奈】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前営業日比67ドル87セント高の3万9375ドル87セント(速報値)で終えた。朝発表の6月の米雇用統計は労働需給が総じて緩和していることを示し、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測が高まった。米長期金利の低下も株式相場にとって追い風となった。
6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比20万6000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(20万人増)を上回った。一方、4月と5月はいずれも下方修正した。失業率は4.1%と、前の月や市場予想より0.1ポイント高かった。平均時給の上昇率は前月比が0.3%、前年同月比が3.9%と、市場予想に一致した。
市場では、「4月と5月分の下方修正は経済が減速しているというトレンドに一致するものだった」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との声が聞かれた。労働市場の過熱感が薄れ、緩やかに正常化に向かっているとの受け止めがあった。FRBが9月にも利下げを始めるとの観測が高まり、米債券市場では長期金利が低下。前営業日終値(4.36%)を下回る4.2%台後半で推移し、相対的な割高感が薄れたとの見方から、ハイテク株を中心に買いが入った。
ダウ平均は下落に転じる場面もあった。米株式市場は前日が独立記念日のため休場だった。今週は通常より市場参加者が少ないとみられ、積極的に持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が3日まで連日で最高値を更新した後で、主力株の一部には持ち高調整の売りが出やすかった。
個別では、インテルやアップル、マイクロソフトが買われた。ウォルマートやボーイング、アムジェンも高かった。一方、シェブロンやダウ、キャタピラーは下落した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前営業日比164.457ポイント高の1万8352.759(速報値)で終えた。
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