ザポリージャ原発への攻撃「絶対に許されない」IAEA事務局長

ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発を巡って、ロシア側は今月9日まで3日連続でウクライナ軍の無人機による攻撃を受けたと発表しました。

一方、ウクライナ側はロシアの自作自演だと反発し、ロシアによる攻撃だとしています。

こうしたなか両国の要請で、IAEAの理事会の緊急会合がオーストリアのウィーンで開かれました。

会合の冒頭、IAEAのグロッシ事務局長は、今月7日の攻撃では原子炉がある建物の屋根を直撃したと説明し「原発への攻撃は絶対に許されない。攻撃は原子力の安全を危険にさらすことを意味する」と述べ、強い危機感を示しました。

また、今回の攻撃で原発の安全性が深刻に脅かされる事態は起きていないとしながらも「今後も同じであると考えるのは無責任だ」とも述べ、自制を求めました。

一方で攻撃がどの国によるものかは明言しませんでした。

ザポリージャ原発は砲撃などによって原子炉の冷却に必要な外部からの電力の供給が途絶える事態がたびたび起きていて、原発の安全性への懸念が続いています。

ロシア軍の大規模攻撃 キーウ州最大の火力発電所が破壊される

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は11日、ウクライナ各地にミサイルや無人機による大規模な攻撃を行い、キーウ州で最大の火力発電所が破壊されました。

また東部ハルキウ州ではエネルギーのインフラ施設が被害を受け、ウクライナ大統領府のクレバ副長官によりますと、20万戸以上で停電が起きているということです。

ウクライナ議会 軍の動員に関する改正法案を可決

ウクライナの議会にあたる最高会議は、軍の動員に関する改正法案を賛成多数で可決しました。改正法案では、18歳から60歳の男性は60日以内に住所や家族などの個人情報をあらためて軍に登録することが義務づけられています。

ウクライナでは前線での兵士の不足が課題となっています。また、軍が、動員の対象となる男性の所在を把握できていないケースが少なくないとされています。法律で登録を義務づけることで動員逃れを防ぐねらいがあるとみられます。

採決に先立ち、軍のソドル司令官は議会で「敵はウクライナ軍の7倍から10倍はいる。兵士が足りていない」と訴えました。一方、こうした改正法案には国民からの反発も予想され、ゼレンスキー政権がどこまで具体的な対応をとるかは不透明な情勢です。

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