【NQNニューヨーク=戸部実華】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前営業日の18日に比べ299ドル90セント(0.77%)高の3万9134ドル76セントと約1カ月ぶりの高値で終えた。相場上昇に出遅れ感のあった銘柄を中心に買いが入り、ダウ平均を押し上げた。米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに転じるとの観測も株式相場を支えた。ダウ平均は400ドル近く上昇する場面があった。

今月に入ってから前営業日までに下げが目立っていたセールスフォースが4%高、シェブロンは2%高となった。シスコシステムズやキャタピラー、マクドナルドにも買いが入った。20日はハイテク株の一角が利益確定の売りに押された一方「出遅れ銘柄に資金が向かった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方があった。

朝発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想を上回った。フィラデルフィア連銀が発表した6月の製造業景況指数はプラス1.3と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(プラス5.0)に反し、前月(プラス4.5)から悪化。5月の米住宅着工件数も市場予想を下回り、景気の減速感が意識された。インフレの鈍化につながり、FRBが利下げをしやすくなるとの観測を誘った面があった。

ダウ平均は朝方は小幅安となる場面もあった。米債券市場で長期金利は一時4.29%と前営業日終値(4.22%)から上昇した。このところ買われていた高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に相対的な割高感が意識されやすく、持ち高調整や利益確定の売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではないが、18日に初めて時価総額が世界1位となったエヌビディアが朝高後に下落に転じたことも、相場の重荷となった。

その他のダウ平均の構成銘柄ではIBMやアマゾン・ドット・コムが買われた。半面、アップルは2%安となった。マイクロソフトは小幅安。ダウとコカ・コーラも売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落し、前営業日比140.645ポイント(0.78%)安の1万7721.587で終えた。足元で買いが目立っていた半導体株の一角が下げた。アナリストが目標株価を引き下げたテスラも安い。

多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は前営業日比13.86ポイント(0.25%)安の5473.17で終えた。一時は初めて節目の5500を上回る場面があったが、主力株の一角が利益確定売りに押され、下げに転じた。

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