米ホワイトハウスのカービー広報補佐官(国家安全保障担当)は20日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの防空を強化するため、地対空ミサイルシステム「パトリオット」や「NASAMS(ネイサムス)」で使うミサイルを追加供与すると明らかにした。

 ウクライナへの提供を優先するため、すでに計画が進んでいた他の国への納入は遅らせるという。カービー氏は「夏の終わりから秋にかけての戦争の重要な局面で、ウクライナはミサイルの備蓄を維持する必要がある」とし、「困難だが必要な決断だった」と述べた。影響を受ける具体的な国は明かさなかったが、おおむね理解を示していると説明した。

 ロシアはミサイルやドローン(無人航空機)でウクライナの民間インフラなどへの攻撃を繰り返しており、ゼレンスキー大統領は防空支援を訴えてきた。米国は今回の決定を通じ、今後1年半にわたって数百発規模のミサイルをウクライナに優先して提供する。ミサイルだけでなく、発射装置やレーダーなどを含むシステム全体の追加供与についても、欧州各国と協議している。(ワシントン=下司佳代子)

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