【NQNニューヨーク=矢内純一】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時50分現在は前営業日の18日に比べ107ドル38セント高の3万8942ドル24セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げに転じるとの観測が株式相場を支えている。半面、主力株の一部に持ち高調整や利益確定目的の売りが出て、ダウ平均は下げる場面がある。
朝発表の週間の新規失業保険申請件数は23万8000件とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万5000件)を上回った。フィラデルフィア連銀が20日発表した6月の製造業景況指数はプラス1.3と、市場予想(プラス5.0)に反し、前月(プラス4.5)から悪化した。5月の米住宅着工件数も市場予想を下回った。労働市場の過熱感が薄れるなかで経済の減速感が出ており、FRBの利下げ観測につながりやすい。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、18日に初めて時価総額が世界1位となったエヌビディアは上昇して始まった。朝方に決算を発表したコンサルティングのアクセンチュアが大幅高となっている。生成人工知能(AI)関連の受注が好調といい、AI関連とみられる銘柄の一部に買いが入り、投資家心理を支えている。
ダウ平均は取引開始直後に小幅に下落する場面があった。多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数が連日で最高値を更新するなど米株式相場は高値圏にある。主力株の一部に持ち高調整や利益確定目的の売りが出ている。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやアマゾン・ドット・コム、IBMが高い。シェブロンやキャタピラーも上昇している。一方、ボーイングやアップル、マイクロソフトに売りが出ている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は8日続伸して始まった。
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