バイデン氏は、新措置の発表イベントにDACA受給者らを招いた=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】バイデン米大統領は18日、米国民と結婚した不法移民や幼少時に不法入国した若者らの救済策を発表した。国境管理の強化と人道的な移民政策の両立は可能だと強調した。再選を目指す11月の大統領選をにらみ、「常識的な対策」をアピールした。

バイデン氏は、オバマ政権が幼少時に親と不法入国した若者の救済措置「DACA」を導入してから12年を記念し、ホワイトハウスで開いたイベントで新措置を発表した。

新措置は米国に10年以上居住し、米国民と法的に結婚した不法移民が対象で、強制送還から保護し米国内で永住権を申請できるようにする。バイデン氏は演説で「家族を離ればなれにしないという米国の理念を示す措置だ」と力説した。またDACAの対象者らが就労ビザ(査証)を取得しやすくする。

バイデン氏は、大統領選で再対決するトランプ前大統領について「移民が国の血統を毒していると言ったり、移民を動物と呼んだりした。大統領の時に国境で子供を家族から引き離した」と批判した。

トランプ陣営は声明で、新措置を「不法移民の大量恩赦計画」と呼び「疑いなく不法移民による犯罪のさらなる急増につながり、納税者に巨額の負担を強いるだろう」と攻撃した。

バイデン氏は4日に不法越境者による難民申請を大幅に制限する大統領令を出した。バイデン氏は国境での不法越境者の拘束数が減り「効果を上げている」と強調した。ただ、民主党左派や人権団体は反発しており、不法移民の救済策はこうした層に配慮しバランスを取る狙いがある。

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