【NQNニューヨーク=稲場三奈】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比57ドル94セント安の3万8589ドル16セント(速報値)で終えた。同日発表の指標が米消費の減速を示す内容となり、経済の軟化が意識された。欧州の政治不安もあり、米株に売りが出た。

ミシガン大学が14日に公表した6月の消費者態度指数(速報値)は65.6と2023年11月以来の低水準となり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(71.5)を下回った。1年先の予想インフレ率は前月と同じ3.3%だった。市場では「大きな買い物をするには(今は)悪いタイミングだと考える消費者が増えた」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との受け止めがあった。

政治不安を背景にフランスなど欧州の株式相場が軟調に推移し、運用リスクを避ける動きから米株に売りが波及した面があった。ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。

もっとも、ダウ平均の下値は堅かった。今週発表された米物価指標がインフレ鈍化の流れが続いていることを示した。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測は引き続き相場の支えだった。

個別では、ボーイングやダウ、キャタピラーなど景気敏感株の下げが目立った。半面、アメリカン・エキスプレスやセールスフォースは買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸し、前日比21.322ポイント高の1万7688.882(速報値)で終えた。

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