G7サミットへ向けた出発を前に、記者団の取材に臨む岸田首相(12日、首相官邸)

【ファサーノ(イタリア南部)=秋山裕之】岸田文雄首相は12日夜(日本時間13日朝)、主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するため、イタリア南部プーリア州に到着した。13〜15日のサミットの議論で中国の過剰生産など経済安全保障の問題を提起する。

首相は前回2023年に日本で開いたG7広島サミットの成果を反映させるよう議論を促す。

経済安保を巡り中国やロシアによる経済的威圧などに各国と結束して対処する姿勢を示す。中国の海洋進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」の実現も訴える。

G7はロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援の基金を設ける方針で大筋合意した。首相は日本による支援の使用目的が非軍事に限られるよう強調しつつ、取り組みへの参加を検討する方針を打ち出す。

首相は出発前の12日、首相官邸で記者団に「公正かつ永続的な平和の実現に向けたウクライナの取り組みを国際社会として支持をする姿勢を示す」と述べた。

サミットに招待されているウクライナのゼレンスキー大統領との対面も調整している。ロシアによる侵略の長期化を踏まえて復興支援や経済協力を盛り込んだ文書に署名する計画だ。

首相はウクライナの不足する電力への対応を含めた支援を表明する。日本は対ロ制裁をめぐり迂回先となる中国を含む第三国の団体に新たに制裁を科す見通しだ。

岸田首相は今回の訪問中にカナダのトルドー首相やインドのモディ首相と2国間の首脳会談にも臨む方針だ。15日にスイスに移動し、ウクライナが提唱する和平案を話し合う会議に出席し、同国支援に関する考え方を表明する。16日に帰国する。

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