目次

  • “ただ停戦が実現して欲しい” ガザ住民の声も交渉は難航

  • “ヒズボラがイスラエルに向け170発以上のロケット弾を発射”

“ただ停戦が実現して欲しい” ガザ住民の声も交渉は難航

ガザ地区での戦闘をめぐってアメリカが公表した6週間の停戦と人質解放を含む3段階からなる新たな提案について、ハマスは11日、仲介国のカタールとエジプトに回答を伝えたと明らかにしています。

提案を巡る交渉が続くなか、ガザ地区の南部のハンユニスで住民に話を聞くと、一刻も早い合意の実現を望む声が多く聞かれました。

このうち35歳の男性は「ただ停戦が実現して欲しい。避難している住民を家に戻れるようにして、飢えに苦しむ人たちに支援物資を届けることが必要だ」と訴えていました。

ただ停戦を巡る交渉はたびたび行き詰まってきた上に、今回もイスラエル側とハマス側が互いに「相手側が提案を拒否している」と非難しあっていると伝えられるなど、難航がうかがえます。

このため別の男性は「交渉についてはもう何も信じられない。バイデン大統領が何を言ってもイスラエルは攻撃を強めるだけだ」と話すなど停戦の実現に懐疑的な声もあがっていました。

“ヒズボラがイスラエルに向け170発以上のロケット弾を発射”

イスラエルメディアは12日、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが、イスラエルに向けて170発以上のロケット弾を発射したと伝えました。

死者やけが人は出ていないものの、去年10月以降で最大規模の攻撃だということです。

11日にヒズボラの指揮官を含む4人がイスラエル軍の攻撃で殺害されたことに対する報復だとみられ、事態のさらなる悪化が懸念されています。

新たな提案に米国務長官“ハマス側から多くの変更求める回答”

イスラエルとハマスの間では、先にアメリカが公表した6週間の停戦と人質解放を含む3段階からなる新たな提案をめぐって交渉が続けられていて、仲介にあたるエジプトとカタールは11日、ハマス側から提案への回答があったことを発表しました。

これについて、アメリカのブリンケン国務長官は12日、訪問先のカタールで行った記者会見で、ハマス側が提案に対し、多くの変更を求めてきたと明らかにしました。

ブリンケン長官は「変更は可能なものもあれば、そうではないものもある。今後もカタールやエジプトとともに合意に向けて働きかけを行う」と述べ、交渉を続ける考えを示しました。

その上で「ハマスはこの先も応じないかもしれないが、それはみずから始めた戦闘を続ける選択をしたことになる」として、提案に応じるよう強く求めました。

一方でブリンケン長官は「双方の溝を埋めることは可能だと信じているが、その保証はない」とも述べ、アメリカが目指す早期の合意に至るかどうかは一段と不透明になっています。

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