米国の核戦力の運用をめぐる情報共有などについて話し合う米韓両政府の「核協議グループ」の会合が10日、ソウルで開かれた。両政府は、北朝鮮の核攻撃に対応する際の共同指針の作成が事実上完了した、と発表した。

 両政府は共同指針の具体的な内容については軍事機密だとして明らかにしなかったが、核を含む米国の戦力で北朝鮮に攻撃を思いとどまらせる「拡大抑止」を強化する「強力な土台となる」としている。

 米国防総省高官は「情報共有やセキュリティーの手順など、解決しなければならない多くの課題がある」として、今後も協議を続ける方針を示した。会合では、今夏にも核攻撃シナリオを想定した机上訓練を行うことも確認した。

 核協議グループは昨年7月に初開催。今回が3回目の会合で、国防当局間で協議した。韓国では、北朝鮮が核兵器を先制使用するなど有事の際に米国が介入しないのではないかという不安も出ている。共同指針をつくることで、そうした世論に一定の安心感を与える狙いがある。(ソウル=太田成美)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。