イランでは先月、ヘリコプターの墜落事故でライシ大統領が死亡したことを受けて、今月28日に大統領選挙が予定されています。

イラン内務省は9日、イスラム法学者などで作る「護憲評議会」による資格審査の結果、6人が立候補を認められたと発表し、選挙戦が始まりました。

このうち、欧米と対立を深めてきたライシ政権と同じ保守強硬派からは、軍事精鋭部隊の革命防衛隊の出身でイラン議会のガリバフ議長や、国防や外交を統括する最高安全保障委員会の事務局長を務めたジャリリ氏などが立候補を認められました。

一方、欧米との対話を重視する改革派や穏健派からは、議会の副議長や保健相などを務めたペゼシュキアン氏が認められたものの、ラリジャニ前議長や、ジャハンギリ前第1副大統領など、有力な候補は相次いで失格となりました。

これについて、穏健派や改革派の新聞は10日、一面で最終候補者を紹介せずに、ラリジャニ前議長など失格になった有力候補たちの顔写真を掲げて、「拒否された」という見出しをつけたり、保守的な候補5人と改革派1人の選挙戦であることを強調したりして、資格審査のあり方に疑問を呈していました。

一方、体制寄りの新聞は「誰がライシの道を進むか」といった見出しを掲げ、ライシ政権を継承する保守強硬派が優位に選挙戦を進めることになりそうだという見方を示しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。