イランでは先月、ヘリコプターの墜落事故でライシ大統領が死亡したことを受けて、今月28日に大統領選挙が予定されていて、80人が立候補を届け出ていました。

イスラム法学者などで作る「護憲評議会」がイスラム体制に忠実かなどを条件に資格審査を行い、イラン内務省は9日、その結果として6人が最終的に立候補を認められたと発表しました。

このうち、欧米と対立を深めてきたライシ政権と同じ保守強硬派からは軍事精鋭部隊の革命防衛隊の出身で、イラン議会のガリバフ議長や、国防や外交を統括する最高安全保障委員会の事務局長を務めたジャリリ氏などが立候補を認められました。

一方、欧米との対話を重視する改革派や穏健派からは、議会の副議長や保健相などを務めたペゼシュキアン氏が認められたものの、ラリジャニ前議長や、ジャハンギリ前第1副大統領など、有力な候補は失格となっていて、その理由は明らかにされていません。

このほか、貧困層に人気があるアフマディネジャド元大統領も失格となっています。

3年前の大統領選挙でも、改革派や穏健派の有力候補が事前の審査で失格となったことに不満を抱える国民が投票に行かず、投票率は48.8%と、1979年にイスラム体制が樹立されて以降、最低となっただけに、今回の選挙で投票率がどうなるのかも焦点です。

イラン内務省は当初の予定より3日前倒しして、9日から選挙戦が始まったとしています。

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