香港で大規模デモが起きてから5年が経つのを機に、東京都新宿区で9日、香港の民主化を訴えるデモ行進が行われた。在日香港人ら約100人が参加。デモのスローガンである「光復香港 時代革命」(香港を取り戻せ 我らの時代の革命だ)と書かれた旗を掲げ、「香港に自由を」などと声を上げた。
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デモを主催したのは、香港の民主化を目指す「Lady Liberty HK」と「Stand with HK@JPN」の二つの団体。主催者の一人で在日香港人のウィリアム・リーさん(30)は「香港の民主化デモはまだ終わっていない」と訴えた。
香港では2019年6月、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことが可能になる逃亡犯条例改正案に反対するデモが大規模化。香港政府は後に改正案を撤回したが、参加者の不満や怒りは収まらず、民主化を求める運動にエスカレートした。
しかし、反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が20年6月に中国主導で施行されて以降、こうしたデモや集会は開けなくなった。今年3月には、国安法を補完する条例も施行され、締め付けはさらに強まった。
リーさんによると、香港に帰れなくなることを恐れ、日本で活動することにちゅうちょする人も多いという。この日も、ほとんどの参加者がマスクやサングラスで顔を覆って参加した。
リーさんは参加者らに「気楽に活動に参加できなくなっている状況だ。みなさんが無事に香港に帰れるように、香港が自由な場所に戻るまで頑張りましょう」と呼びかけた。
香港出身で10年以上前から日本に住んでいるという40代女性の参加者は「今の香港は自分の知っている香港じゃない。自由な香港を取り戻したい」と話した。(岩田恵実)
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