住友電工は欧州でケーブル生産の現地化を進めている

住友電気工業は6日、ドイツの送電大手、アンプリオンから再生エネルギー向けの送電線を受注したと発表した。北海で建設中の洋上風力発電設備とドイツ内陸部の電力会社や需要家をつなぐ。2033年までに整備を完了する見通しで、電力ケーブルの受注規模は最大で30億ユーロ(5000億円)超になるという。

ドイツ北部のウィルヘルムスハーフェンと中西部のハムを結ぶ約300キロメートルの送電線向けのケーブルを受注し、これとは別にドイツの南北、約650キロを結ぶ送電線の一部を受注した。住友電工は20年にもアンプリオンから風力発電向け送電線を受注した実績がある。

大規模な受注に対応するため、ドイツ南部のマンハイムに本拠を置くケーブルメーカーのズートカーベルを買収する。ズートカーベルの親会社で電線設備などを手掛けるウィルムスグループから9割の株式を取得し、10月に子会社化する。買収金額は非公表。ズートカーベルは約9000万ユーロの増産投資を実行して、生産能力を高める。

住友電工は英国でも洋上風力発電設備向け海底電力ケーブルの大型案件の受注が内定しており、スコットランドのハイランド地方で電力ケーブル工場を建設している。現地生産でコストや納期などの競争優位性を高め、欧州の旺盛な再生エネルギー需要を取り込む狙いだ。

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