レバノン国営通信によると5日、首都ベイルート近郊の米国大使館を狙った銃撃事件があり、近くにいた軍が応戦した。発砲したとみられるシリア国籍の男が負傷して拘束され、軍が事件の背景や当時の状況を詳しく調べている。

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 米大使館の発表によると、事件は5日午前8時半ごろに発生。犯人側が使ったのは小火器だとし、「我々の施設やチームは安全だ」としている。ただ、地元のニュースサイト・ナハルネットは銃撃戦が約30分続き、大使館の警備員1人が負傷したと伝えている。

 AP通信によると、レバノン軍は銃撃をした疑いで拘束された男が住んでいたとされるシリア国境近くの地域で、親族ら5人を事件に関わった疑いがあるとして拘束した。

 地元の治安当局者がロイター通信に語ったところによると、拘束された男はアラビア語で「イスラム国」と書かれた服を着ていたという。ただ、地元の報道では、犯人が単独犯で、過激派組織による関与を示す証拠が見つかっていないとも伝えられている。

 レバノンの米国大使館では1983年、60人以上が死亡する爆破事件が発生。翌84年にも爆薬を積んだトラックが同大使館に突入する事件があった。軍は今回の事件について、「状況を解明するために捜査を進めているところだ」と説明している。(テヘラン=佐藤達弥)

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