【NQNニューヨーク=稲場三奈】5月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比574ドル84セント高の3万8686ドル32セント(速報値)で終えた。朝発表の4月の米個人消費支出(PCE)物価指数がおおむね市場の想定に沿った結果となった。高インフレが続くとの懸念が和らぎ、米長期金利の低下を受けて買いが広がった。

4月のPCE物価指数の上昇率は前月比で0.3%と、3月と同水準を見込んでいた市場予想に一致した。エネルギーと食品を除くコア指数の伸びも同0.2%と、市場予想通りだった。物価高が加速しなかったことを受け、米長期金利が低下。株式の相対的な割高感が薄れたとして、主力株に買いが入った。

ダウ平均は今週に入り、前日までに960ドルほど下落していた。週末を控えた持ち高調整の動きもあり、ダウ平均は取引終了にかけて上げ幅を広げる展開だった。

もっとも、ダウ平均は下げる場面もあった。市場では「四半期決算を受け前日に急落したセールスフォースなどの影響で、人工知能(AI)関連の業績寄与が期待されているハイテク株を中心に売り圧力が高まった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。米連邦準備理事会(FRB)が利下げ転換に慎重になっているとの見方が根強いことも重荷だった。

個別ではユナイテッドヘルス・グループやボーイング、インテルが上昇した。セールスフォースには押し目買いが入った。一方、アマゾン・ドット・コムとキャタピラーには売りが出た。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比2.064ポイント安の1万6735.015(速報値)で終えた。

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