イラン政府系のタスニム通信は29日、同国がイエメンの反政府武装組織フーシにミサイルの製造技術を提供したと報じた。イランは中東各地の親イラン組織を政治的に支持しつつも、軍事協力については明らかにしないことが多く、政府系メディアが明示的に軍事支援を報じるのは珍しい。

  • 【動画あり】「幸せでとけそう」 トルコ空港で「セラピー犬」が活躍 近く倍増へ

 フーシは敵視するイスラエルの貿易を妨害しようと、紅海を通る商船への攻撃を続けている。そのフーシにミサイル技術を提供することで、イスラエルにプレッシャーを与える狙いがイランにはあるとみられる。

 タスニム通信によると、イランが提供したのは、2千キロの射程を持つといわれる対艦弾道ミサイル「ガドル」の製造技術。ガドルはペルシャ語で力などを意味する。

 タスニム通信は、「イランは現代的技術を提供することで(中東各地の親イラン勢力を指す)抵抗勢力を力づけてきた」と強調。各地の親イラン勢力が持つミサイルやドローン(無人機)の部隊をまとめる指令組織も設けていると主張した。

 中東でイランとつながりのある勢力としてはフーシのほか、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスや、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどがある。(テヘラン=佐藤達弥)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。