ニューヨーク市マンハッタンのアバクロ店舗、2024年2月14日

【ニューヨーク=弓真名】米国のカジュアル衣料ブランド、アバクロンビー・アンド・フィッチが29日発表した2024年2〜4月期の決算は、純利益が前年同期と比べておよそ7倍となる約1億1400万ドル(約180億円)だった。「時代遅れのブランド」として人気低迷が続いていたが、デザインやサイズ設定を見直し、多様性を意識したブランドに転身したことで快進撃が続いている。

売上高は22%増の約10億2000万ドルだった。アバクロ幹部は29日の決算説明会で「メンズ事業の回復が予想よりも早かった」と話し、男女問わず需要が拡大したことが好業績の一因になったと説明した。24年2〜4月期に立ち上げたドレス事業も好調だった。

既存店売上高も21%増だった。地域別では、消費者が不要不急の支出を控える傾向が強まっている米国(南米も含む)で21%増となった。欧州・中東・アフリカ地域とアジア太平洋地域もそれぞれ2割増となり、全地域で売れ行きが堅調だった。

採算面では余剰在庫を整理し、値引き販売が減ったことで利益率が向上した。

アバクロは好調な決算をうけ、2025年1月期通期の業績見通しを上方修正した。通期の売上高が前期の約43億ドルから10%増加すると予想し、従来予想の4〜6%増から引き上げた。

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