石油会社の米コノコフィリプスは同業の米マラソンオイルを買収する=AP

【ヒューストン=花房良祐】石油大手の米コノコフィリプスは29日、米同業のマラソンオイルを買収すると発表した。買収総額は債務を含めて225億ドル(約3兆5000億円)。株式交換でコノコがマラソン株を取得する。24年10〜12月の買収手続き完了を目指し、年5億ドルのコスト削減といった相乗効果を見込む。

マラソン1株あたり0・255のコノコ株と交換する。28日終値と比べて約15%高い水準だ。このほか、コノコは24年10〜12月期から3割増配すると発表した。買収後の初年度に70億ドル、3年間で合計200億ドルを自社株買いする。

コノコはエクソンモービルやシェブロンに次ぐ規模の米国の石油会社。実現すればコノコにとって過去最大規模の買収案件になる。

マラソンは老舗の石油会社で1960年代にコノコと協力して米アラスカから日本向けの液化天然ガス(LNG)事業を手掛けたこともある。現在は米ノースダコタ州のシェール鉱区「バッケン」やテキサス州などのシェール鉱区「パーミアン」の原油生産に力を入れる。赤道ギニアでLNG事業を開発した実績もある。

米国の石油業界では合従連衡が活発になっており、ロイター通信によると2023年のM&A(合併・買収)は2500億ドルの合意があった。

エクソンは23年10月、パイオニア・ナチュラル・リソーシズを600億ドル、シェブロンはヘスを530億ドルで買収すると発表した。米国ではシェール産業が成熟化し、優良鉱区を有する中堅を大手が飲み込む構図が鮮明になっている。

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