世界ニュース発行者協会(WAN―IFRA)が主催する「世界ニュースメディア大会」が27日、デンマークのコペンハーゲンで開幕した。75カ国以上から報道関係者ら約千人が参加し、ウクライナやパレスチナでの「戦時下のジャーナリズム」や、生成AI(人工知能)への対応などについて議論を繰り広げる。
今回の大会では、対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIで知的財産を統括するトム・ルービン氏が登壇予定。メディアのコンテンツをAIが学習する際の対価について、どのように述べるか注目されている。オープンAIと契約を結んだ米AP通信や英フィナンシャル・タイムズの幹部もスピーカーをつとめる。
報道の自由を守ることに貢献した人や団体を顕彰する「自由のための金のペン賞」には、中米ニカラグアのジャーナリスト、カルロス・フェルナンド・チャモロ氏が選ばれた。同氏は、独裁色を強めるオルテガ政権を批判。主宰する調査報道メディア「コンフィデンシャル」の編集部は2018年、ニカラグア当局によって占拠されたが、コスタリカに逃れて言論活動を続けている。授賞式では「報道機関は政治的圧力を受けて危機に面している。この賞は検閲に抵抗し、報道の自由を守るすべての人に捧げられるものだ」と語った。
WAN―IFRAはまた、初の女性会長としてスイスメディアの経営者、ラディナ・ハイムガートナー氏を総会で選んだ。(コペンハーゲン=井上未雪)
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