トランプ前大統領の立ち上げたSNS運営会社の株価下落が続く=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】15日の米株式市場でトランプ前大統領が立ち上げた新興メディア企業、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)の株価が急落した。前週末比18%安の26.61ドルで取引を終えた。

同日に既存の投資家のワラント(新株予約権)の行使などに関する届け出書を米当局に提出し、発行済み株式の希薄化を懸念した売りが広がった。

TMTGはトランプ氏が立ち上げたSNS(交流サイト)「トゥルース・ソーシャル」の運営会社だ。3月26日に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて米ナスダック市場に株式を上場した。

上場当初は11月の米大統領選に向けて世論調査で優位に立っていたトランプ氏の人気に着目した買いが入った。その後は財務の裏付けが乏しい経営状況や事業の継続性への疑念から売りが膨らみ、15日は株式需給をめぐる思惑から一段安となった。

株価は上場初日に付けた高値(79.38ドル)から15日までに66%下がった。同日終値に基づく時価総額はおよそ36億ドルだ。

トランプ氏はTMTG株の58%にあたる7875万株を保有する最大株主で、一定の条件を満たせばさらに多くの株式を手にする可能性がある。保有株の売却や株を担保にした借り入れができれば資金繰りの助けになるが、現時点では売却に制限がかかっている。株価下落による資産価値の目減りも続くなか、同氏が持ち株をどこまで有効活用できるかは見通せない。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。