ロシアのプーチン大統領㊧とベラルーシのルカシェンコ大統領は24日にミンスクで首脳会談を開催し、記者会見を開いた=ロイター

ロシアのプーチン大統領は24日、同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領とのミンスクでの首脳会談を終え、記者会見した。プーチン氏はウクライナ侵略の長期化や深まる欧米諸国との対立を受けて「(ベラルーシと)共通の防衛空間を形成する」と述べ、戦術核兵器の演習実施など軍事や、経済連携を強める方針を強調した。

ロシアメディアによると、プーチン氏はベラルーシ領内に合同部隊やロシアの防衛施設、戦術核兵器が配備されていることに触れ「ロシアと(旧ソ連諸国の軍事同盟である)集団安全保障条約機構(CSTO)の西側国境をカバーしている」と強調した。CSTOにはロシアのほか、ベラルーシやカザフスタンなど旧ソ連諸国が加盟する。

ロシア国防省は21日に戦術核兵器の使用を想定した第1段階の演習を始めたと発表した。プーチン氏はベラルーシの戦術核演習への参加について、実施に向けた「状況を確認した」と述べた。具体的なスケジュールについては言及しなかった。ベラルーシは第2段階に参加する予定と伝えられている。

プーチン氏は演習について「核兵器の分野におけるすべての義務を完全に順守している」とも述べ、実施に問題はないと主張した。

ルカシェンコ氏は会見で「両国の関係に解決不可能な問題はない」と述べ、軍事だけでなく、機械やハイテクなどの産業分野でロシアとの連携を強める考えを示した。ロシアは戦時体制下で軍需が拡大しており、ベラルーシがロシアの軍需産業を下支えしているとみられる。

ペスコフ大統領報道官は24日、ロイター通信が同日にロシア指導部に近い消息筋の話としてプーチン氏がウクライナでの現在の前線を維持できれば停戦に応じる用意があると報じたことについて、事実ではないと否定した。タス通信が伝えた。

ペスコフ氏はロシアがウクライナ東・南部4州を併合した際、ロシア憲法は「4つの新しい地域を含めた連邦の構成を定めた」などと述べた。ロシア軍は一方的に併合した東部ドネツク州などで制圧地域拡大に向けた戦闘を続けており、目標達成の途上にあるとの見方を示した。

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