国連安保理では先月、宇宙空間に核兵器などの大量破壊兵器を配備しないよう求める決議案を日本とアメリカが提出しましたが、ロシアの拒否権によって否決されていました。

そのロシアは、大量破壊兵器だけでなく、あらゆる兵器を宇宙空間に配備しないよう求める決議案を提出し、20日、採決が行われた結果、採択に必要な9か国以上の賛成が得られず、否決されました。

採決に先だって、反対する姿勢を表明したアメリカのウッド国連次席大使は、ロシアが今月16日に打ち上げた人工衛星について「ほかの衛星を攻撃できる宇宙兵器である可能性が高いと分析している」と明らかにしました。

そして「ロシアは核爆弾を搭載した新しい人工衛星の開発から世界の関心をそらそうとしている」と非難しました。

これに対してロシアのネベンジャ国連大使は「何を言っているのか理解できない」と反発し、宇宙空間での軍事活動をめぐって米ロ両国の間で激しい応酬となりました。

林官房長官 「受け入れ困難 反対票投じた」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「決議案は加盟国間でコンセンサスが得られていない内容が含まれており、わが国として受け入れが困難だったことから反対票を投じた。わが国としては宇宙空間が核兵器のない領域であり続けるべきだと強く考えており、安定的で持続可能な宇宙空間の利用のため、引き続き国連や軍縮会議の場を含め国際的なルール作りに関する議論に積極的に取り組む」と述べました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。