目次

  • ロシア ハルキウ州北部で12集落を掌握と発表

  • 米専門家 “ロシアが攻勢強め 状況は深刻だ”

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月17日の動き)

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ウクライナ情勢 ロシアによる軍事侵攻 最新情報・解説 - NHK特設サイト

ロシア ハルキウ州北部で12集落を掌握と発表

ウクライナでは、東部ハルキウ州の北部で、国境を越えて侵入したロシア軍が攻勢を強め、ロシア国防省は17日、この1週間で12の集落を掌握したと発表しました。

また、ウクライナ第2の都市、州都ハルキウに対し、ミサイルなどによる攻撃を続けています。

プーチン大統領は、17日、訪問先の中国で行った記者会見で、州都ハルキウの占領について「現時点でそのような計画はない」と主張しました。

そのうえでウクライナ側が、国境付近にあるロシアの都市に砲撃を続け、死者が出ているとし、「われわれは安全地帯を作らざるをえない」と述べ、ロシア側のねらいは国境付近に緩衝地帯を設けることだとしています。

ハルキウ州の戦況について、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、SNSに「今後、激しい戦闘が予想され、敵もその準備をしていると理解している」と投稿し、ロシア軍の攻勢が続くとの見通しを示しました。

米専門家 “ロシアが攻勢強め 状況は深刻だ”

ロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州への攻勢を強めていることについて、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは16日、ウクライナ情勢に詳しいアメリカの軍事専門家のマイケル・コフマン氏らによる分析を掲載しました。

この中で、現在の戦況について「ロシア軍はまだ州都ハルキウの東側にある防衛線に到達していない。この防衛線は装備も経験も豊富な旅団で守られているが、状況は深刻だ」と指摘しました。

そのうえで「ロシアのねらいは、州都ハルキウに向かって前進し、砲撃で脅しをかけることだ。ロシアは依然として東部ドネツク州の占領に重点を置き、拠点を奪おうとしている」として、ロシアはウクライナ軍の兵力をハルキウ州などにも分散させ、東部ドネツク州の拠点を奪うことが当面の目標だと指摘しました。

また、「この数日間でウクライナ軍の一部の部隊がドネツク州からハルキウ州に配置された」とした上で、ウクライナ軍がハルキウの防衛に力を注ぐ間にロシア軍が各地で攻勢を強め、「今後、ハルキウ州の隣にあるスムイ州や、北部のチェルニヒウ州の国境沿いでも、攻撃を行う可能性がある」としています。

さらにコフマン氏らは、「ウクライナ側では弾薬や兵員が不足している。状況が改善するには数か月かかる」という見通しを示しました。

一方、ロシア側は、月におよそ3万人の契約軍人を補充しているとして、「物理的な優位性がロシアを有利にしている」と分析し、ウクライナが厳しい戦いを強いられていると指摘しました。

ロシア “ウクライナ軍が大量の無人機や無人ボートによる攻撃”

ロシア国防省は17日、ウクライナ軍が、ロシアが支配する南部クリミアや国内の3つの州に対し大量の無人機や無人のボートによる攻撃をしかけてきたと発表しました。

あわせて102機の無人機を破壊したとしています。

ロシアメディアは、この攻撃でロシア南部のクラスノダール地方の製油所で火災が起きたと伝えています。

プーチン大統領 ウクライナ情勢めぐり中国の姿勢を評価

通算5期目に入ったロシアのプーチン大統領は、最初の外国訪問先として17日まで2日間、中国を公式訪問し、一連の日程を終えたあと、17日夜、記者会見を行いました。

この中で、プーチン大統領は、習近平国家主席と行った非公式の会談の中で、ウクライナ情勢について詳細に協議したと明らかにしました。

そして、習主席が今月、フランスなどヨーロッパを歴訪した際に、ウクライナ情勢をめぐってどういう議論をしたのかなどを説明してくれたとした上で、「中国は問題の解決に誠実に取り組み、さまざまな選択肢を提案し、非常に柔軟に行動している」と述べ、評価しました。

また、ウクライナが提唱する和平案の実現に向けて、6月、スイスで開かれる国際会議に触れ、「ロシアは参加に消極的だと非難されるが、招待されていないのだ。かれらはできるだけ多くの国を集め、全員で合意して解決済みだとして、ロシアに最後通告を突きつけるつもりだ」と批判しました。

プーチン大統領としては、欧米側の動きをにらみながら、ウクライナ情勢をめぐっても中国と一層連携し、欧米側への対抗姿勢を強めていくとみられます。

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