フィリピン政府と在フィリピン日本大使館は17日、日本がフィリピンに対し大型巡視船5隻を供与することで合意した、と発表した。沿岸警備隊の能力向上が目的。南シナ海でフィリピン船への危険行為を繰り返す中国を念頭にしたものとみられる。

  • 風向き変えた中国のレーザー事件 フィリピンが日米との接近急ぐ背景

 遠藤和也大使とマナロ外相が署名した。発表によると、供与される巡視船は全長約97メートル級。フィリピン沿岸警備隊の強化を目指す円借款プロジェクトの一環で、総額643億円に上る。

 2013年に44メートル級10隻、16年にも97メートル級2隻の供与で合意しており、今回が3回目となる。

 フィリピン政府は「海難救助や法執行の業務を効率的に遂行する能力を高め、海洋の安全に貢献できる」としている。

 南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にあるアユンギン礁やスカボロー礁などの近海では、中国船によるフィリピン船への放水や衝突が相次ぎ、フィリピン側にけが人も出るなど、一触即発の事態が続いている。(バンコク=大部俊哉)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。