【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月14日の動き)
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ウクライナのNATO加盟交渉開始を提言
ウクライナが目指すNATO=北大西洋条約機構への加盟をめぐり、NATOの前事務総長とウクライナ政府高官は、ことし7月のNATOの首脳会議でウクライナとの加盟交渉を始めることを決めるなど加盟各国に対する提言をまとめました。
ウクライナが目指すNATOへの加盟について、NATOは、将来、加盟を認めることでは合意しているものの、ロシアによる軍事侵攻が続く間は難しいとしています。
去年夏の首脳会議でも、ウクライナの加盟手続きを一部、簡略化することでは合意したものの、加盟に向けた具体的な見通しは示しませんでした。
こうした中、14日、NATOの前の事務総長のラスムセン氏とウクライナのイエルマク大統領府長官が、NATO加盟国に対する提言をまとめ発表しました。
提言は、ウクライナのゼレンスキー大統領の要請を受けNATO加盟国の首脳経験者などの意見を踏まえてまとめたということです。
提言ではことし7月にアメリカで開かれるNATOの首脳会議でウクライナとの加盟交渉を始めることを決めることや、ウクライナが条件を満たせば遅くとも4年後の2028年7月までに加盟を認めることなどという考えを示しています。
記者会見でラスムセン氏は「加盟交渉を始めてもウクライナがすぐ加盟するわけではないが、ロシアのプーチン大統領に対しこの違法な戦争を続けてもウクライナのNATO加盟を妨げることはできないという明確なメッセージを送ることになる」と強調していて、今後、各国にどのように受け止められるか注目されます。
ロシア新国防相 軍事侵攻を推し進める姿勢
ロシアのプーチン大統領が国防相に起用したベロウソフ氏は議会の公聴会で国防費が増える中、軍事と経済の統合を進め効率化も図りながらウクライナへの軍事侵攻を推し進める姿勢を示しました。
通算5期目に入ったロシアのプーチン大統領は新たな国防相として経済政策を担当してきたベロウソフ第1副首相を後任に充てる人事を議会上院に提示し、ベロウソフ氏は14日、議会の公聴会に出席しました。
この中で、ベロウソフ氏は「プーチン大統領から与えられた重要な任務は国防費がGDPの6.7%を超えたことを考慮し、軍の経済を国民の経済に統合することだ」などと述べ、効率化も図っていく考えを示しました。
そしてウクライナへの軍事侵攻について「重要な任務は軍事的・政治的な目標を達成し勝利を確実にすることだ。同時に人的な被害を最小限に抑えることを強調したい」と述べました。
このあとベロウソフ氏は議会で承認され、プーチン大統領が大統領令に署名して正式に国防相に任命されました。
一方、これまで国防相を務めたショイグ氏が新たに安全保障会議書記に任命されたことに伴い、ロシア大統領府は14日、前任でプーチン大統領の最側近とも言われてきたパトルシェフ氏を造船分野を担当する大統領補佐官に任命したと発表しました。
今回の政権人事では、農業相を務めたパトルシェフ氏の長男が副首相に昇格していて、パトルシェフ氏の政権内での今後の影響力も注目されています。
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