【ロンドン=大西康平】英統計局が10日発表した1〜3月期の英国の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0.6%増となった。年率換算では2.5%増となる。3四半期ぶりのプラス成長で景気後退から脱却した。
英LSEGが集計した市場予想の0.4%を上回った。増加幅は2021年10〜12月期(1.5%増)以来の大きさとなった。
GDPの6割を占める個人消費が0.2%増となった。インフレが鈍化しており、住宅や燃料、レストランやホテルなど幅広い分野での支出が増えた。
一般政府支出も0.3%増だった。医師による病院でのストライキの減少で患者の来院が増え、公的サービスとして運営される医療への支出が増えた影響とみられる。
輸出は1%減った。機械や輸送機器、燃料の分野で落ち込んだ。
23年10〜12月は0.3%減と2四半期連続のマイナス成長で、機械的に景気後退とみなすテクニカルリセッションに陥っていた。
英イングランド銀行(BOE)は9日、6会合連続で政策金利を据え置くと発表した。景気を下支えする今後の利下げ開始時期が焦点となっている。市場では6月や8月との見方が広がる。
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