【カイロ=時事】パレスチナ自治区ガザで交戦するイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止と人質解放を巡る交渉は、双方の代表団が9日、間接的に交渉していたエジプトの首都カイロを離れ、合意に至ることなく終了した。エジプトメディアが報じた。米国はイスラエルに自制を求めているが、同国のネタニヤフ首相は「単独でも戦う」と述べ、ガザ最南部ラファへの地上作戦を強行する構えを示している。
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間接交渉では、戦闘終結を求めるハマスと、一時的な戦闘休止を主張するイスラエルの溝が埋まらなかったとみられる。イスラエルはハマスが「受け入れた」と表明した休戦案に対する反対意見を仲介国のエジプトなどに提出。カイロでの交渉終了後も、仲介国は妥結に向けて調整を続けている。
イスラエル軍が7日にラファでの限定的な地上作戦に踏み切ったことで、交渉が行き詰まったという見方もある。ハマス関係者は、イスラエル紙ハーレツに、ネタニヤフ氏が、人質解放を求めながら戦闘終結に反対していると指摘。「ネタニヤフが戦闘継続に固執し、交渉を白紙に戻した」と非難した。イスラエル軍は9日もラファで作戦を続け、これまでに戦闘員約50人を殺害したという。
ラファへの本格侵攻に反対する米国はイスラエルへの弾薬の輸送を一部停止。バイデン大統領は8日、CNNテレビのインタビューで、ラファへの地上侵攻が実施されれば「武器を供与しない」と明言した。これに対し、ネタニヤフ氏はビデオ演説で、ラファでの作戦を念頭に「単独でやらなければならないなら、単独でやる」と宣言。イスラエル軍報道官も9日、「ラファを含む作戦のための兵器がある」と強調した。
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