2024年12月20日,テックワンは,ONE-NETBOOK Technology(ONE-NETBOOK)製の携帯型ゲームPC「OneXFly F1 Pro」と,外付けGPUボックス「ONEXGPU2」を2025年1月10日に国内発売すると発表し,予約の受付を開始した。

OneXFly F1 Pro

 製品ラインナップと税込価格は以下のとおり。

●OneXFly F1 Pro
  • CPU:Ryzen AI 9 370,メインメモリ容量:64GB,内蔵ストレージ容量4TB,26万8000円
  • CPU:Ryzen AI 9 370,メインメモリ容量:32GB,内蔵ストレージ容量2TB,21万8000円
  • CPU:Ryzen AI 9 365,メインメモリ容量:32GB,内蔵ストレージ容量1TB,18万8000円
  • CPU:Ryzen 7 8840U,メインメモリ容量:32GB,内蔵ストレージ容量1TB,14万8000円

●ONEXGPU2
  • Radeon RX 7800M搭載,14万9800円

 OneXFly F1 Proは,2023年に登場した携帯型ゲームPC「ONEXFLY」の新モデルである。筐体は既存製品から変わらず,公称本体重量は約599gと軽量だ。
 OneXFly F1 Proでは,ディスプレイパネルを7インチサイズで,解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート144Hzの有機パネルに変更したのが見どころだ。

OneXFly F1 Proは,7インチサイズの有機ELディスプレイを搭載する

 パネルの輝度が従来製品の450cd/m2から,800cd/m2へと大幅に向上しており,暗い場面が多いゲームも快適にプレイできるという。

 また,上位モデルの搭載CPUにAMDのノートPC向け「Ryzen AI 300」シリーズを採用したのもポイントだ。Ryzen AI 300シリーズは,Zen 5マイクロアーキテクチャとその高効率版であるZen 5cマイクロアーキテクチャを採用したCPUコアと,「RDNA 3」アーキテクチャを改良したRDNA 3.5世代のGPU「Radeon 800M」シリーズを統合したSoC(System-on-a-Chip)となる。

最上位モデルは,12コア24スレッドの「Ryzen AI 9 370」を採用する

GPUには「Radeon RX 890M」を統合する

 「サイバーパンク2077」を用いたONE-NETBOOKの検証によると,「Ryzen AI 9 370」搭載モデルは60fps以上,「Ryzen AI 9 365」搭載モデルで,50台半ばから後半のフレームレートを実現したという。


 また,OneXFly F1 Proでは,バッテリーを経由せずに直接充電器からスマートフォンに給電する「バイパス給電」と,バッテリーの充電上限を指定できる機能に対応したのも新しい要素の1つだ。
 バイパス充電は,スマートフォンやタブレット製品で普及している機能だ。ゲームのようなバッテリー消費が激しいアプリケーションを使うときは,バッテリー駆動ではなく,充電器につなぐことが多い。リチウムイオン電池は,充電しながら使うと発熱などで劣化してしまうことがある。バイパス給電によって,バッテリーの劣化を防げるというわけだ。
 充電容量の上限設定は,ノートPCに広く搭載されている機能だ。リチウムイオン電池は,100%の満充電状態が続くことでも劣化しやすい。充電する上限容量を100%以下に指定することでも,劣化を防ぐものだ。

 バイパス給電と充電容量の上限設定は,最新のUEFI(BIOS)とONE-NETBOOK製総合設定ソフト「ONEXCONSOLE」で利用できるという。既存製品のONEXFLYや「ONEXPLAYER X1(AMD版)」「ONEXPLAYER X1 mini」でも,BIOSとONEXCONSOLEの更新でこうしたバッテリー保護機能を利用できるという。

最新のONEXCONSOLEで,パイパス給電と充電容量の上限設定に対応する

 このほか,ゲームパッド部分や搭載インタフェース類は,ONEXFLYと共通だ。

上側面のインタフェースは,左からUSB 3.2 Type-A,USB4,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子が並ぶ

下側面の中央部分にUSB4とmicroSDカードスロットを備える

 なお,2025年1月31日までにOneXFly F1 Proを購入すると,通常価格1980円の「OneXFLY専用 オリジナルネームタグ」をプレゼントするという。

OneXFlyシリーズは,左右の下部にネームタグを備える

制作できるネームタグの例

 OneXFly F1 Proと同時に発表となったONEXGPU2は,ドッキングステーション機能を備えた外付けGPUボックスで,USB4またはOculinkでPCと接続する。2024年に国内発売した初代「ONEXGPU」の上位モデルにあたり,搭載GPUにノートPC向けの「Radeon RX 7800M」を採用したのが見どころだ。

ONEXGPU2

ONEXGPU(右)と比べると,ONEXGPU2の大きさが際立つ

 ONE-NETBOOKによると,NVIDIAのノートPC向けGPU「GeForce RTX 4070 Laptop GPU」を超える性能を備えるという。また,CPUに「Ryzen 7 8840U」を搭載した携帯型ゲームPCと比べて,2倍のフレームレートを実現したそうだ。

ほかのノートPC向けGPUとの性能比較

Ryzen 7 8840U搭載PCとの性能比較

 また,筐体には100W給電が可能なUSB4やUSB 3.2 Type-A,HDMI 2.1,DisplayPort 2.0,有線LANポートといったインタフェースを備えているのも既存のONEXGPUと共通だ。筐体内にPCI Express接続のM.2 SSDを装着できる点も変わらない。

筐体内部にM.2 SSD用の空きスロットを備える

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